●設計・監理者、工事業者の両方に対して損害賠償を請求したい | |
【問】 |
鉄骨造4階建ての医院併用住宅を新築中です。間もなく完成ですが、かなりの追加請求が心配なうえ、設計者の工事監理が怠慢で、ずさんな工事で困っています。設計者と建築業者の両者に対し、損害賠償を請求したいと思い相談にきました。
設計者は主人の知人です。一応、満足した設計図が出来上がり、建築業者3社から見積もりをとり、見積額の一番安いA社と、当初の見積額より500万を減額させて工事請負契約を結びました。 その際、減額内容については、漠然とした10項目を箇条書きにした、おおざっぱな文書を受け取りました。 さて、工事に入り内装工事の段階で、まず建具が当初考えていたものに比較し、かなりの粗雑品なのでがっかりしました。そこで、建具を取り替えてもらいましたが、変更による追加工事金額はかなりのものと予想され、何かペテンにかかった感じがしてなりません。 建具は一例ですが、そのほか、これからの内装工事が心配です。今になってわかりましたが、設計者と施工者はぐるになっており、満足な工事監理がされていません。これまで設計・工事監理料は70%支払い済みです。なお設計者のミスで約1カ月工事が遅れて困っています。 |
【答】 |
このような内容で契約した以上、建設業者を取り替えることや、遅延損害金の請求は無理と思います。できるだけ追加工事金が増えないよう、また、今後予想される瑕疵工事が起きないよう、頻繁に打合せのうえ、文書をとりかわしておくことです。
問題解決に期待する設計者が、満足な工事監理を履行しないのは困りものです。しかし設計者にも建設業者にも支払残金があるのですから、真剣に事情を訴え善処させることにつきます。公的機関による解決手続きとしては、 (1)各都道府県にある「建設工事紛争審査会」 (2)簡易裁判所(調停) (3)地方裁判所(訴訟) などが考えられます。又「民事紛争処理センター」等の、簡易な解決機関を設けている弁護士会もありますので、詳細は、お近くの弁護士会にお問い合わせ下さい。 なお、建設工事紛争審査会は、設計監理委託契約に起因する紛争は処理しません。従って、設計・監理者と建築業者を相手取って、紛争解決しようとする場合は、簡易裁判所又は地方裁判所に申し立てる事になります。 |