019 20年前建てられ、ガタついてきた建物の耐用年限が心配

●20年前建てられ、ガタついてきた建物の耐用年限が心配
【問】  エレベーターの保守期限が近日中に切れるのですが、建物の耐用年限が心配です。

 この建物は、私たちの親が生前建築した鉄筋コンクリート造3階建ての貸倉庫です。なに分、20年前に建てたものだけに全体的にガタがきていますし、エレベーターもときどき故障したりします。建物で目につくところは、柱・梁・床・天井の一部に亀裂があるところですが、今後の大地震をふまえ、耐用年限がどの程度なものか教わりにきました。

 一基あるエレベーターは、部品無償の保守点検期限があと1カ月で切れるため、この際、総合的に考えていく必要からアドバイスを受けたいのです。

【答】  この建物は、昭和56年新耐震設計以前のものですから、とりあえず耐震診断を受けることをお勧めします。

 鉄筋コンクリート造の耐用年限は、一般的には100年ぐらいと言われていますが、コンクリートの中性化やこれに伴う鉄筋の腐食などで、それより短くなる可能性があります。

 それよりも、この建物は昭和56年の法令改正による新耐震設計以前のものですし、建築躯体の亀裂等の心配もあり、まずは専門家の耐震診断を受けるのがよいと思います。その結果、NGの判定が出ましたら補強設計を行い、改修工事にかかることになります。そのうえで、エレベーターのことを考えたらいかがでしょう。

Copyright © 2011 Japan Association of Architectural Firms All rights reserved.