027 近所へのピアノ騒音対策について

●近所へのピアノ騒音対策について
【問】  孫にピアノを購入することになりましたが、隣近所への騒音が気になります。音響や防音など留意点教えてください。

 既存住宅は築後5年の2階建て木造2世帯住宅です。ピアノにはアップライトピアノやコンサートピアノなどいろいろあるようですが、重量は200~600kgとのことで、業者の話では「特別な補強をしないと床が耐えきれない場合もある」ということでした。

 また私の住む地域は「特に静穏を要する地域」で、市役所の話では騒音に係る環境基準は、昼間で45デシベル以下、朝夕で40デシベル以下、夜は35デシベル以下と説明を受けました。

 そこで、孫がピアノの練習をするため、隣近所への騒音が気になります。ピアノがある部屋だけでも防音工事をしてもらうと思っていますが、音響や防音など、ピアノに適した環境づくりについて教えてください。

【答】  手っ取り早い話をすれば、ピアノ販売業者に相談されれば床の補強や防音工事について、正しい回答が得られます。

 一般家庭の床はピアノでもかなりの重量のものについては考慮しておりませんので、当然、床などが壊れないような措置をしなければなりません。

 方法としては(1)硬い床材を使うこと、(2)床材を支えている根太材の間隔を狭くするか、材料を大きなものに変更すること、(3)根太材を支えている大引材あるいは2階床梁についても根太材と同じように間隔もしくは材の寸法を変えることなどを行えばよいと思います。ただ、ピアノを置く部屋が2階になる時は、他の部分についても補強が必要になるかも知れませんので、考慮すべきでしょう。

 次に音響を考える場合、部屋としては外部の騒音遮断すると同時に、内部音の遮音を図る必要があります。また、最適な残響時間を有し、エコーやフラッターエコーが起きないように設計する必要もあります。今回の使用形態を考えた場合は、部屋の内装面の使用材料やその処理の仕方などに気を使えば、ある程度の効果が出ると思われます。そこで、表面にはある程度音を吸収する材料を張り、その裏に音を遮る材料、その次にまた吸音材というように軽い材料を組み合わせて使う方法があります。

 防音材としては、使いやすさ、材質、厚み、価格など制約がいろいろあり、完全なものはないようですが、吸音ボード、石膏ボード、遮音シート、グラスウールなど、各製品を重ね合わせて使用するとよいかもしれません。

 天井も同様にし、床にも遮音シート、グラスウールを入れてください。また、アルミサッシを防音用に換えることも忘れないでください。

 とにかく、防音に関しては吸音材料を用いて二重壁構造を形成するように、床・壁・天井・開口部および扉の構造に配慮する必要があります。また、空調整備についても同様に配慮しなければならないと思います。施工方法は簡単なものから高度なものまで数種類ありますから、予算を考慮して施工業者とよく打ち合わせをすることです。

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