一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会
会 長 上野 浩也 |
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あけましておめでとうございます。 皆様方におかれましては、健やかに新年をお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。旧年中は日事連に対しまして格別のご指導とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。 昨年元日に能登半島地震が発災して1年が経過しました。そして9月には水害が、震災から復興中の能登半島に大きな爪痕を残しました。復旧・復興にはまだまだ時間がかかると思いますが、被災された方々に対して心よりお見舞い申し上げ、一日も早い復興をお祈りします。自然の力の前には私たちは無力です。しかし、私たちは、防災や減災に対する職能があります。職能を活かして、国民の皆様に安全・安心を届けていかなければなりません。 昨年6月の日事連会長就任時、皆様に4つの目標をお示ししました。地方の活性化については、まず都道府県の単位会の財政基盤安定化につながる施策を進めています。また、公共建築物の設計及び工事監理料の適正化については現在「業務報酬及び官庁発注検討ワーキンググループ」で議論を進め、国土交通省の発注者責任懇談会等へも日事連から委員を派遣し、積極的に議論に参加させていただいております。官庁発注工事の単価が公共建築物品確法にのっとり適正な価格で受注可能になれば、地方が活性化します。地方の活性化がなければ日事連の発展はありません。 業法の確立と入会義務化については、法制度特別委員会で議論を重ねておりますが、業法の確立は、早期に委員会でまとめ実施を目指したいと思います。入会義務化については、60年間議論をしていますが、ハードルの高い問題です。しかし、この業法の確立と入会義務化は日事連創立当時の「錦の御旗」です。目標を達成するには時間がかかるかもしれませんが、一歩ずつ進んでいかなければなりません。「錦の御旗」を決して下げるわけにはいきません。業法の確立と入会義務化が実現してこそ、建築士事務所の環境を変える手段となると考えます。 そして最後に若い人材の育成と活用ですが、全国の青年会員が一同に会する「青年話創会」の開始から10年近くが経過した現在、青年部等の活動を終えた人材が、単位会の中核で活動されています。日事連役員についても、今年度から3名の若い人材と女性会員に理事に就任していただきました。これからの単位会や日事連を担っていただく人材の新しい考え方や意見を尊重しながら、今後も青年部等の活動を見守っていきたいと思います。 今年4月からは改正建築基準法、改正省エネ法が施行されます。国土交通省では、現場での混乱を無くすよう都道府県にサポートセンターの設置を進めています。単位会の中にはサポートセンターとして活動中のところもありますが、日事連でも、委員会やワーキンググループにて会員の皆様の業務をサポートする方法を検討しております。 BIMの普及が進む現在、今後はAIの活用により今までの建築設計という概念が大きく変わろうとしています。働き方改革や担い手三法の改正で私たちの業界が大きく変化していく中、建築資材や人件費の高騰で厳しい状況が続き、官庁工事や民間工事も契約や着工に至らないケースが散見されますが、全国共通の喫緊の問題ですので、皆様と議論し、知恵を絞って対応していかなければならないと思います。 結びに、皆様の今後益々のご繁栄を心より祈念申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。 |