2017/11/30
2017年11月より日本建築士事務所協会連合会会長に就任いたしました佐野吉彦です。引き続いて、本年度推進してきました事業計画を力強く継続いたします。本年の建築界は省エネ法の施行、業務報酬基準(告示15号)改正検討のスタート、働き方の見直しや建築生産性改革の本格化などの動きがありました。そのなかでわれわれ建築士事務所は、建築の設計・工事監理、建築工事の指導監督、建築工事契約に関する事務等を業とする者としての社会的責任を着実に果たしてまいります。 社会はAIはじめ先端技術の発展などのダイナミックな変化がある一方で、至るところでバランスが悪くなっているように感じます。地域においても乗り越えるべき多くの課題が見られますが、多様な世代が連携し、知恵を束ねて社会を安定的・持続的発展に導かねばなりません。この局面で建築の専門家が積極的に取り組み、働きかけることによって、社会の基盤は強まり、希望がもたらされるものと確信しております。建築こそは社会の活力の源であり、今こそわれわれの出番と考えるからです。 日事連は、そのような建築士事務所が有する価値を社会に訴えかけてまいります。改正建築士法に盛り込まれた趣旨を社会に正しく定着させるとともに、社会に先んじての、働き方と建築設計/生産プロセスのふたつの改革を提言していこうと考えます。その取り組みの中で、次世代の成長と女性の活躍をバックアップいたします。 建築士事務所は、建築界を率いるべき存在です。だからこそ自らの経営の充実と事業の継承に力を注ぐことが社会的責任となります。建築士事務所の能力が一層向上し、自発性が高まることによって、地域に希望と活力をもたらすことが可能となります。日事連では、5年ぶりにテキストを全面改訂した「開設者・管理建築士のための建築士事務所の管理研修会」、「既存住宅状況調査技術者講習」など、各種研修会の継続的実施によって、建築士事務所と属する建築士の資質向上に力を注いでまいります。 今後は、社会に対する発信力を高め、発信機会を増やしてまいります。日常だけでなく、長期的にみてあるべき法律や制度の提言に積極的に取り組み、災害などの喫緊の課題に対しては解決のための行動、体制づくりを加速いたします。日事連は、分け隔てのない空気のもとに、各単位会と、属する会員それぞれが有する情報や創意工夫を共有して多様性と弾力性のある建築界をめざして走り続けます。どうぞよろしくお願いいたします。 |
佐 野 吉 彦 |
一般社団法人 日本建築士事務所協会連合会 会長 佐野 吉彦 |